Sora the Bunny
複雑性理論を基盤とした学習者の言語能力と動機付けの変化に関する縦断調査
研究課題/領域番号: 15K12907
研究期間:2015年4月〜2018年3月
本研究は、小学校5年生〜中学校3年生にかけての5年間にかけて英語能力と動機付け、情意に関する縦断的変化を捉える研究である。小学校5年生〜中学校3年生にかけて、7月と2月(計10回)において英語能力(英検)と質問紙調査を実施した実証研究である。
国際学会発表予定
【2019年】
・R.Nishida. (予定). A longitudinal study of language proficiency and motivational changes for Japanese elementary and secondary school students in the Japanese EFL context. Poster Presentation. Hawaiian International Conference on Education. January 5-8. Hilton Hawaiian Village Waikiki Beach Resort. Honolulu.
【2018年】
・ (予定) R. Nishida. A three-year longitudinal study of proficiency, motivation, and affect in language learning in the Japanese EFL context. Applied Linguistic Association of Australia (ALAA). Nov.26-28. University of Wollongong, Australia.
・ (予定) R. Nishida. A three-year longitudinal study of proficiency, motivation, and affect in language learning in the Japanese EFL context. Applied Linguistic Association of Australia (ALAA). Nov.26-28. University of Wollongong, Australia.
【2015年度実績】本研究では、小学校5年生~中学校3年生までの言語能力テスト(英語検定協会ブロンズテスト・英語検定協会プレイスメントテスト)と質問紙(動機付け・言語文化への関心・コミュニケーションへの積極性・CanDo・L2可能自己)の実施を行う予定である。これまでに毎年7月・2月に測定を行い、中学2年生段階までのデータ収集を行った。現在では、中学校3年生段階での言語能力テストと質問紙を調査中である。現段階では、一部の中間報告に関しては、国際学会・国内学会で結果を公開済みであり、国内学術誌ににもデータの一部を公開している。
これまでの結果としては、言語能力については時間の経過に伴って上昇する傾向にあることと、動機付け・言語文化への関心・コミュニケーションへの積極性・CanDo・L2可能自己については、維持する傾向にある要因もあれば、低下する傾向にある要因もあることが明らかになっている。更に、個人差の傾向としては、クラスター分析を用いて分析を実施した結果として、学習者が上位群・中位群・下位群に分類され、言語能力が高い学習者群は、動機付けや情意要因が高い傾向にあり、言語能力が低い学習者群は、動機付けや情意要因が低い傾向を示すという結果が明らかになっている。
本研究では中学3年生までの追跡調査を行う。本年度は、中学校3年生段階で(7月・2月)に最終的な言語能力テストと質問紙調査を実施し、統計処理を行う。質的データについては、中学校3年生段階で、半構造化面接・回顧面接を教師・生徒達に対して実施し、Motigraph(縦断的に見る学習者の動機付けの変化)を実施して、質的分析手法を用いながら、個人内の変化の傾向や発達的傾向を微視的に捉えていく。線形モデルである量的研究と非線形モデルである質的研究を融合していくことで、経年データにおける学習者の言語面・情意面に関する多面性と可変性を捉えていく。